オーストラリア・シドニー線
紺碧の海に浮かぶ珊瑚礁の島々に目を奪われる路線のハイライトはバタフライ・アイランド。1万メートルからの眺めはまさに絶景。シドニーやブリスベンから北上するフライトではそれぞれコースが多少異なるが、全長2600キロに及ぶグレート・バリア・リーフ上を飛んでいく。まずはオーストラリア最大の都市シドニーからのフライトを紹介しよう。
シドニーは香港、リオデジャネイロと並んで世界三大美港の一つ。貝の形のオペラハウスやシドニータワーが有名だが、次々ページの写真のようにタスマン海の上空から前景を眺めると、ベイ(湾)に囲まれた水の都であることがわかる。
シドニーを立つと。きは左手にブルーマウンテンの山脈を見ながら北上する。約1時間でクイーンズランド州に入り、ブリスベンの西側の大陸上空を一路グレート・バリア・リーフへと向かう。
(中略)
世界でも有数のグレート・バリア・リーフの絶景が終わり、機はパプアニューギニアを横断していく。そして、赤道(英語でイクエータ―と発音)を南半球から通過する20分ほど手前で、このコースのハイライトというべき島に遭遇する。JALを始めカンタス航空などのクルーの間で話題になっている島だ。蝶々の形をした美しい珊瑚礁の無人島だが、JALのクルーが勝手に「バタフライ・アイランド」あるいは「ハッピー・アイランド」と呼んでいる。というのも、この赤道付近は天気が悪く、積乱雲などが発生して視界を遮る場合が多い。いつも見えるとは限らないその島が見えたら幸運であること、そして美しいその姿を目の辺りにしたときは心洗われるような幸せな気分になることから、そう呼ばれるようになったようだ。客室乗務員の間では「あなたは今まで何回見た? 私はまだ1回も見たことがないの・・・」という会話がなされる具合。運だめしのように、見れば幸せになり、早く良縁に恵まれるとまで、その思いはエスカレートしてしまった。
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オーストラリア・シドニー線
紺碧の海に浮かぶ珊瑚礁の島々に目を奪われる路線のハイライトはバタフライ・アイランド。1万メートルからの眺めはまさに絶景。シドニーやブリスベンから北上するフライトではそれぞれコースが多少異なるが、全長2600キロに及ぶグレート・バリア・リーフ上を飛んでいく。まずはオーストラリア最大の都市シドニーからのフライトを紹介しよう。
シドニーは香港、リオデジャネイロと並んで世界三大美港の一つ。貝の形のオペラハウスやシドニータワーが有名だが、次々ページの写真のようにタスマン海の上空から前景を眺めると、ベイ(湾)に囲まれた水の都であることがわかる。
シドニーを立つと。きは左手にブルーマウンテンの山脈を見ながら北上する。約1時間でクイーンズランド州に入り、ブリスベンの西側の大陸上空を一路グレート・バリア・リーフへと向かう。
(中略)
世界でも有数のグレート・バリア・リーフの絶景が終わり、機はパプアニューギニアを横断していく。そして、赤道(英語でイクエータ―と発音)を南半球から通過する20分ほど手前で、このコースのハイライトというべき島に遭遇する。JALを始めカンタス航空などのクルーの間で話題になっている島だ。蝶々の形をした美しい珊瑚礁の無人島だが、JALのクルーが勝手に「バタフライ・アイランド」あるいは「ハッピー・アイランド」と呼んでいる。というのも、この赤道付近は天気が悪く、積乱雲などが発生して視界を遮る場合が多い。いつも見えるとは限らないその島が見えたら幸運であること、そして美しいその姿を目の辺りにしたときは心洗われるような幸せな気分になることから、そう呼ばれるようになったようだ。客室乗務員の間では「あなたは今まで何回見た? 私はまだ1回も見たことがないの・・・」という会話がなされる具合。運だめしのように、見れば幸せになり、早く良縁に恵まれるとまで、その思いはエスカレートしてしまった。
長い間日本とオーストラリアを結ぶ航空機はマニラに寄航していたために、この島の存在は知られていなかったが、直行便の開設によって偶然にもコックピットから発見され注目を浴びることになったのである。この島は今まで紹介されていないが、地理的には赤道の南に位置し、パプアニューギニア領、ビスマルク諸島に属している小島だ。地元では「ランブッチョ・アイランド」と呼ばれていて、日本語の「乱舞蝶」が語源らしい。とすると、この島を命名したのは旧日本軍のパイロットたちかもしれない。上空から見て初めて蝶の形とわかるからだ。激戦の只中、ニューギニアの海で兵士らがこの美しい島を見てひと時の安らぎを得ていたに違いない。とにかく紺碧の海にくっきりと浮かぶこの島を見ると、誰しも全てを忘れて自然の美しさに感動する。人工衛星が地球の隅々までとらえるこの時代、「新発見」の感動を味わうことが少なくなってきている。だが、私がこの島を初めてみたとき、何か新たなものを発見したときに感じる喜びがあった。そして何よりもこの島は、私にこれからも窓の外を注意深く見つめて、何かを発見してみたい、という気持ちにさせてくれたのである。
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收起)
还没人写过短评呢
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