バック・ステージ

バラバラのピースがぴったりハマったラストに思わず「ビンゴ!」と声になる

他人に無関心な新入社員の松尾は、ある晩会社で先輩の康子がパワハラ課長の弱みを探している現場を目撃するが、そのまま片棒を担がされる羽目になる。翌日、中野の劇場では松尾たちの会社がプロモートする「日本一チケットが取れない」人気演出家の舞台が始まろうとしていた。「離婚したばかりのシングルマザー」「再会した同級生」「舞台に抜擢された新人俳優」「認知症の兆候が表れた大女優」舞台の周辺では、4つの事件が同時進行で起き、勘違いとトラブルが次々発生。バラバラだったパズルのピース、それが松尾と康子のおかしな行動によってなぜか繋がっていき……。すべてのピースがぴったりハマったラストに、思わず「ビンゴ!」。毎日ストレスフルに働くあなたを、スッキリさせる「爽快」ミステリー!

芦沢 央

1984年生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。著作に『いつかの人質』『悪いものが来ませんように』『雨利終活写真館』『今だけのあの子』『獏の耳たぶ』がある。