舞があり、謡がある能・狂言の世界は、日本のミュージカルといってもいいものです。 しかもそこに描かれる世界は悲劇あり、ラブロマンあり、戦いありとバラエティにとみ、オペラにも引けを取らないストーリー性をもっています。 特に、野外で行われる薪能は、夜空を焦がす薪、その炎に浮かびあがる能舞、鼓や笛の音が夜の闇を切り裂く謡、まさに演者と観客が一体になるライブの醍醐味に溢れています。 とはいえ、やっぱり取っつきにくく、わかりにくいのも確かです。 それは、謡で進行する台詞のわかりにくさ、そして、しぐさを極端におさえた象徴的な演技にあります。本書は、そんな能、狂言の魅力を満喫するためのガイドブックです。 さて、序の章では名曲「井筒」の楽屋から舞台までを特撮。 特別インタビューでは観世流宗家 観世清和氏、人間国宝狂言師 野村万蔵氏に能・狂言の世界を存分に語っていただきました。 また能に関する知識をいろいろな角度から紹介します。 つぎに、破の章では能の代表作「翁」「静経」「野宮」など68番、狂言の代表作「福の神」「萩大名」「佐渡狐」など26番をやさしい解説と美しい写真で紹介。 急の章では能舞台の紹介、女面のいろいろ、能に見る女性ファッション、謡と囃子と能の音楽チケットの取り方、観能のマナーなど情報が満載。
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