現代ロシアの
沸騰するナショナリズムの本質を
ドストエフスキーから読み解く!
ソ連崩壊後の混乱と怒りと屈辱感は、
最近の力によるクリミアの併合やウクライナへの介入、
トルコやシリアへの軍事的支援など、
今から150年前のクリミア戦争の敗北から農奴解放、
革命へと向かう一大転換期の時代と類似点が極めて多い。
ドストエフスキーは19世紀後半のこの時期、
『カラマーゾフの兄弟』などの大作の執筆の傍ら、
雑誌に連載した『作家の日記』の評論で、
スラヴ派の論客として政治、社会評論家として
精力的に活動したが、
その主張や当時の対ヨーロッパについての屈折した視点や感情は、
現代のロシアの行動を理解する上では不可欠である。
また付録の「ペトラシェフキー事件」は
ロシアの知識人に共通する思想的骨格であり、
今日に至るロシア人の独特の心理的背景を理解する好材料である。
本書は、プーチンに率いられる
現代ロシアの強力なナショナリズム、
大国意識の底にあるスラブ主義の本質に迫るものとなっている。
还没人写过短评呢