パレスチナとは何か

サイード自らの政治的流氓体験を踏まえ，パレスチナ人の生活と労働，そのアイデンティティーを徹底的に凝視しつつパレスチナ問題の根源を問い直した衝撃の書．執筆後の情勢の変化を超えて，状況の基底へと読者を誘い，アラファト亡き後の現在も多くの示唆を与える．原著は86年刊行．精彩に富む写真も多数収録．

エドワード・W・サイード（Edward W.Said）

1935～2003．イギリス統治下のエルサレムに生まれ，エジプトを経てアメリカに移住する．コロンビア大学教授等を務めた．邦訳された主著に『オリエンタリズム』『イスラム報道』『知識人とは何か』『世界・テキスト・批評家』．

島　弘之　（しま　ひろゆき）

1956年生まれ．英文学・文芸批評．法政大学教授．主著に『〈感想〉というジャンル』『小林秀雄』など．訳書にブルーム『カバラーと批評』クロウリー『神秘主義と魔術』など．