鎖国時代、唯一の日本人町であった「倭館」の記録。政治・経済・文化をめぐる日本と朝鮮の交流の実態を微細に探ることのできるきわめて特異な史料。唯一国立国会図書館のみに現存する史料を初めてマイクロ化。
特色と内容
●近代日朝外交史必須の前史
明治政府が接収した、日朝関係の実態はいかなるものであったのか。「倭館記録」は、江戸前期から明治初年にかけて連続して書きつがれた在外史料である。そこに近代日朝外交史を探るための貴重な前史が秘められている。
●異文化交流史の第一級史料
江戸時代の「鎖国」体制のなか、倭館は日本人が国外に居留した唯一の地であった。「倭館記録」は、日朝外交交渉史や通商貿易史のみならず、異国に在留した日本人の衣食住と性をめぐる生活諸相や、犯罪と紛争ならびに文化交流等の実態を、微細に探ることができる特異な史料である。海外では、韓国をはじめ、アメリカなどの日本・朝鮮研究者たちの関心度が非常に高い史料である。
●「倭館記録」の変遷
明治維新後、政府はすばやく日朝外交を宗家から外務省に移し、早々と倭館の接収を行った。同時に多数の記録類も外務省記録課の管轄下に入った。当時、朝鮮外交のたよるべきものは、旧幕時代の古文書であった。しかし、急速に進展する近代外交の動きは、もはや文書の必要性をなくし、それらは歴史資料として、国立国会図書館の前身である帝国図書館へ移管された。今回刊行する『倭館館守日記』(表紙は『館守日記』または『毎日記』)、『裁判記録』がこれであり、この「倭館記録」全体の四分の三以上を占める。
●厖大な史料をコンパクトに収録
厖大な史料をコンパクトに、かつ廉価に提供できるよう16ミリマイクロフィルムにて刊行。35ミリの2倍のコマ数が収録できるため、容積も1/4となり、収納スペースもとりません。
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