序章 保守運動の台頭とジェンダー
一 現代日本社会における新しい保守運動
二 保守運動に参加する女性たち
三 女性たちの保守運動を捉える枠組みの不在
四 本書の目的と方法および構成
五 用語の定義
五‐一 保守運動と保守主義
五‐二 保守運動と右翼運動
第一部 女性たちの保守運動を捉える視点
第一章 戦後日本社会における保守運動の系譜
一 保守運動の胎動――日本遺族会を中心に
一‐一 保守運動の系譜を辿るために
一‐二 日本遺族会の出発
一‐三 靖国神社法案の挫折
二 保守運動の組織化――「英霊にこたえる会」から「日本会議」へ
二‐一 英霊にこたえる会
二‐二 元号法制化運動
二‐三 日本会議の誕生
二‐四 組織化された保守運動の特徴
三 保守運動の草の根化――「つくる会」から「行動する保守」へ
三‐一 「新しい歴史教科書をつくる会」
三‐二 保守運動の連携――男女共同参画反対運動
三‐三 「行動する保守」と運動の先鋭化
四 保守運動に連なる女性グループの登場
第二章 右派女性に関する米国フェミニズム研究の展開
一 米国の右派女性研究を参照することの意義
二 〈被害者〉としての右派女性
三 〈運動主体〉としての右派女性
三‐一 保守運動の二つの類型
三‐二 右翼運動と女性参加者
四 〈フェミニスト〉としての右派女性
四‐一 右派女性に対する積極的な意味付け
四‐二 「女性」を代弁するのは誰か
四‐三 「平等フェミニスト」たちの保守運動
五 米国右派女性研究から得られる示唆
第二部 保守運動と家族
第三章 日本遺族会における家族言説の変遷――“苦労する母親”像に着目して
一 「家族の価値」言説とは
二 日本遺族会と戦没者妻たち
三 分析方法
四 日本遺族会にみる二つの家族言説
四‐一 第一期(一九四九~五五年)――“苦労する母親”像の形成
四‐二 第二期(一九五六~七五年)――“苦労する母親”像の定着
四‐三 第三期(一九七六~九三年)――“苦労する母親”像の曖昧化
四‐四 第四期(一九九四~二○○七年)――「家族の価値」言説の出現
五 “苦労する母親”像と「家族の価値」言説の齟齬
五‐一 家族言説はなぜ移行したのか
五‐二 保守運動の「家族の価値」言説
第四章 「家族の価値」をめぐるポリティクス――保守系雑誌記事の分析から
一 男女共同参画に反対する人びと
一‐一 男女共同参画に反対する「主婦」
一‐二 「主婦」たちはなぜ男女共同参画に反対するのか
二 データの概要
三 「家族の価値」に関する比較分析
三‐一 「主婦」による投稿記事の非‐政治性
三‐二 「主流派バックラッシュ」における「家族」言説
三‐三 「主婦バックラッシュ」における「家族」言説
四 「家族の価値」言説の構造
四‐一 潜在化された対立関係
四‐二 女性知識人の二面性
五 「主婦バックラッシュ」と「ケアの倫理」
第五章 女性たちの男女共同参画反対運動――愛媛県の事例から
一 草の根レベルの男女共同参画反対運動
二 愛媛県における男女共同参画をめぐる攻防
二‐一 松山市男女共同参画条例一部改正問題
二‐二 市民団体A会の結成と活動展開
二‐三 A会の基本主張
二‐四 調査対象者の概要と分析方法
三 会員の運動参加経緯
三‐一 リーダー層・常時活動層
三‐二 周辺的活動層
三‐三 積極的支持層
四 会員たちがA会に賛同する理由
四‐一 男女共同参画のリアリティ
四‐二 性別役割を実践するということ
五 「家族」言説が果たしている役割
五‐一 A会にみる草の根レベルの男女共同参画反対運動
五‐二 「家族」でつながる保守運動
第三部 保守運動と女性の生/性
第六章 焦点化される「慰安婦」問題――「行動する保守」活動動画の内容分析
一 「行動する保守」の女性たち
二 分析方法
二‐一 「行動する保守」とインターネット
二‐二 データの概要
三 「行動する保守」女性団体活動動画にみられる傾向
三‐一 男性参加者の脇役
三‐二 タテマエとしての「母親」
四 「慰安婦」問題への焦点化
四‐一 「慰安婦」問題の「発見」
四‐二 アンビバレントな「慰安婦」問題
五 性差別と民族差別が交錯する地点から
第七章 「慰安婦」問題を嗤えない女性たち――「行動する保守」運動における参加者の相互行為とジェンダー
一 活動の場における相互行為への着目
二 調査対象団体および調査概要
二‐一 調査対象団体B会の概要
二‐二 調査概要
三 B会をめぐる二つの集合的アイデンティティ
三‐一 女性
三‐二 「左」と「右」
四 料理教室における参加者たちの相互行為
四‐一 料理教室の風景
四‐二 嫌韓・嫌中・愛国心
四‐三 料理教室におけるジョークの機能
五 「慰安婦」問題に関するジョークをめぐって
五‐一 「慰安婦」を嗤う高齢男性
五‐二 排除される「他者」と排除できない「他者」
終章 日本社会で生きる女性たちの保守運動――その困難と展望
一 これまでの議論のまとめ
二 女性たちの保守運動を成立させる要因
三 女性たちの保守運動が抱える両義性
四 「女性運動」として読み替える
四‐一 ドメスティックな「女性運動」
四‐二 「保守フェミニズム」はあり得るか
五 「右傾化」現象とジェンダー
あとがき
参考文献
· · · · · · (
收起)
0 有用 元♬ 朗 2025-01-02 16:22:08 北京
提供了一个研究视角。