本書は、「Ⅰ近世都市大坂の形成と三郷惣年寄」「Ⅱ町(住民生活の基礎単位)」「Ⅲ仲間」に分けて、基本史料を一点一点読み解きながら、近世大坂の歴史像を理解することを目指した。Ⅰでは、大坂三郷の形成過程や惣年寄の役割を示す絵図や史料、Ⅱでは、町の空間・人別・運営に関する史料、Ⅲでは、営業にかかわる株仲間だけでなく、宗教者・非人などに関するものなど、幅広い史料を取り上げた。
当時を生きた人々の〈人間存在〉を実感を持って理解するには、人々が残した史料を読み解くことが最も確実な方法である。しかし、江戸時代の史料を読み込むのは容易ではない。そこで、基本史料について、写真版を掲載し、釈文(翻刻)・読み下し・現代語訳を示し、語釈を加えた上で、その史料の背景、読み取れる論点、近世大坂の中での位置づけを解説している。そこでは最新の研究成果も紹介している。近世大坂は、現在の都市大阪の直接の起点であり、基盤である。それゆえ、現在の大阪の特質を理解することにも資するであろう。また史料読解のテキストとしても最適である。
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