はじめに
重要語句の道案内
第1部 基礎編
01 ANT成立の時代背景と人文学・社会科学における
「人間以外」への関心の高まり(栗原 亘)
1 問題設定
2 自然科学および科学技術への関心の高まり
3 人文学・社会科学内における動向
4 エコロジーへの関心の高まり
5 「環境問題」とエコロジー運動および人文学・社会科学における動向
6 まとめ
02 ANT略史
その成立と展開および批判に関する見取り図(栗原 亘)
1 本章の位置づけ
2 サイエンス・スタディーズ
3 プロトANTからANT成立まで
4 初期ANTへの批判
5 ANTの展開
03 ANTの基本概念をたどる
記号論という「道具箱」を調査に持参する(伊藤嘉高)
1 はじめに:ANTの基本概念の出自をたどる
2 パリ学派記号論+エスノメソドロジー=ANT
3 アクターとアクタン:テクストによる報告の構成要素
4 強度の試験:「強く」実在するアクターの誕生
5 内向推移/外向推移:参照フレームの移行
6 循環する指示,不変の可動物:物質と記号の果てしない指示の連鎖
7 科学としてのANTの意義:中間項を媒介子にして,組み直す
コラム1 ANTの「同盟者」たち:そこに「源泉」は存在するのか?(栗原 亘)
第2部 実践編
04 ANTと科学
史料分析と参与観察に基づく科学観・科学者観の更新(森下 翔)
1 論争する科学者たち:ANT前史
2 「翻訳」する科学者たち:カロンによる科学記述
3 『戦争と平和』と科学の過程:ラトゥールによる科学記述
4 非人間の働きかけ
5 構築とはなにか
6 「標準的科学観」とANT:現代の科学実践の「ANT的」分析にむけて
05 ANTと技術
技術の開発と活用過程における人間と非人間のダイナミクス(金 信行)
1 はじめに
2 技術の社会構築主義的研究
3 B. ラトゥール「ハイテクのエスノグラフィ」
4 H. ミアレ『ホーキング Inc.』
5 おわりに
コラム2 国内研究動向(科学社会学・哲学,技術哲学)(金 信行・栗原 亘)
06 ANTと経済
遂行性アプローチの分析視角とそのインプリケーションについて(金 信行)
1 はじめに
2 経済事象の経験的分析
3 M. カロン「複雑性を飼いならすツールとしての文書化/書き換え装置」
4 D. マッケンジー「経済学は遂行的なのか」
5 おわりに
07 ANTと法
ANTは無責任な理論なのか(伊藤嘉高)
1 法のダイナミズムを生み出す「泥臭い」法的推論
2 法と科学:「無対象的な」法的客観性
3 存在様態論へ:法と科学を分別し交渉させる
コラム3 日本の人類学におけるANTの展開(小川湧司)
08 ANTと政治/近代
「政治」を脱・人間中心的に組み直すための思考法(栗原 亘)
1 ANTにおける「政治」
2 「近代」へのANT的アプローチ
3 「政治」の組み直し
4 モノたちの議会と争点指向的な政治観:民主主義を脱・人間中心化する
5 おわりに
コラム4 都市(伊藤嘉高)
第3部 展望編
09 多重なる世界と身体
媒介子としての身体のゆくえ(伊藤嘉高)
1 動脈硬化は実在しない?
2 単一の動脈硬化を成り立たせる実践
3 動脈硬化を断片化させない実践
4 痛み,血圧,患者,人口,外科医,メス……:万物の連関のなかの動脈硬化
5 医療実践におけるANTの意義
6 身体と自由
10 存在様態論と宗教
ラトゥールは宗教をいかにして記述しうるのか?(小川湧司)
1 ANTと存在様態論
2 「宗教」概念批判論に対するラトゥールの身振り
3 存在様態[REL]を規定する二つのステップ
4 おわりに
11 人間-動物関係とラトゥール
動物の「非-還元的な」記述とはいかなるものでありうるか?(森下 翔)
1 「非-人間」概念と「動物」概念
2 ANT論者による「非-人間」の記述:乳酸菌とヒヒ
3 『動物の解放』とANT:非還元と還元のあいだで
4 「動物の議会」の多声化:生態人類学からみる去勢と母子分離
5 ANT以降の関係論的動物論
6 動物の未来のヴィジョンと「共存の科学」としてのANT
12 異種混成的な世界におけるエコロジー
海洋プラスチック汚染というモノ(thing)を記述する(栗原 亘)
1 「環境問題」から「人新世」へ:エコロジーの現在
2 ANT的な記述と批判理論的な「批判」
3 プラスチックとは何か:一にして多様な存在体
4 近代的なオブジェクトとしてのプラスチック
5 近代的オブジェクトの再分節化過程
6 ANT的な記述の役割:学習曲線を描く集合体の構成
事項索引
人名索引
· · · · · · (
收起)
0 有用 マハラちゃん 2024-07-19 13:18:37 日本
ゼミ用