これぞ中世北欧文学の最高峰――幻の名著が新装版で待望の復刊!
「サガ」とは、語り、語られた出来事、物語の意。十三世紀頃のヴァイキング時代に人々がノルウェーからアイスランドへ入植した経緯、活躍した英雄、血族同士の復讐、異教時代の魔法や呪いなどを活写した壮大な史伝的散文作品のうち、本書は圧巻とされる六篇を収める。最新の研究を踏まえた図版・系図・地図・文献案内付き。
幸村誠さん、推薦
漫画『ヴィンランド・サガ』を描く上で、本書が最大の参考資料、一番の元ネタです!
内容
エギルのサガ◆巨漢のエギルが、ヴァイキング気質と比類ない詩才をもって王や難敵と渡り合う激動の生涯。
グレティルのサガ◆人を殺め追放されたグレティルの、十九年間にわたる数々の武勇伝。
ラックサー谷の人びとのサガ◆美貌で誇り高く、情熱を内に秘めた女性グズルーンの悲劇的な物語。
エイルの人びとのサガ◆首長スノッリの政治や宗教的祭式、民衆の生活や習俗。
ヴォルスンガサガ◆ワグナーの楽劇やトールキンの『指輪物語』の題材となった異色譚。
ニャールのサガ◆最も長いサガ。海の勇士グンナルの一生と、ニャール一族の死とその復讐。
サガ作品は、異教時代からキリスト教改宗期にまたがる、いわゆるヴァイキング時代と呼ばれる激動の時期を生きた北欧の農民層を活写しているという意味において、世界文学史上の偉観ということができる。(訳者・谷口幸男)
サガを読むと、ふだん何気なくゲームのなかで接している名前がじつは七百年以上前のアイスランドで書かれた文献にルーツをもつことがわかる。(監修者・松本涼)
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