内容简介 · · · · · ·

北村薫さんは、読書の達人にして博覧強記、身近に接していていつもその教養の高さにため息が出てしまいます。本書はその著者の父・宮本演彦（のぶひこ）氏の日記をもとに、大正末から昭和初年の主人公の青春を描く評伝風小説です。旧制中学に通いながら、読書や映画を愛し、当時隆盛だった児童文学雑誌『童話』に投稿し、その世界の先輩たちとの交流を深める演彦。その姿に、まさに北村さんのルーツを見る思いがします。

原文摘录 · · · · · · ( 全部 )

「芸術家は寄生虫だ」という友に対し、父は異議を唱え、≪俺は人生を輝かす花だと思ふが≫と記している。音楽も美術も考えてのことだろう。だが、父にとって一番近いのは、やはり文芸だ。文科系の人間なら数学が出来ないーーと決まってはいないが、この点、父は、わたしの父だ。二月の試験のところに、≪代数は何にも解らない。ーー少しも悲観しない≫と書き、居直しっている。我が能はそこにあらずーーと思っているわけだ。 (查看原文)

北窓 2015-06-25 19:57:32

—— 引自第29页
泉鏡花、芥川龍之介なども犬に恐怖心を抱いた。日記を読んでいると、父も同じと分かり微笑ましい。わたしもそうだったからーーである。犬というのは、苦手な人間を見分けるようで、わたしは子供の頃、三回ほど追いかけられたことがある。一度は近所の表通りで、大人は何人もいた。だが、腹を抱えて笑うだけで、誰も助けてはくれなかった。犬に追われるのも恐ろしかったが、深く心に残ったのは、そちらの方かも知れない。 (查看原文)

北窓 2015-06-27 11:36:17

—— 引自第205页