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『癸卯旅行記』とは、近代中国の先進的女性知識人銭単士釐が二〇世紀最初の癸卯の年(一九〇三年)に外交官の夫銭恂とともに行った国外旅行の記録である。…『癸卯旅行記』は「近代東北アジアの形成」に関する原暉之、左近幸村、中見立夫らの近年のあらたな研究の前進に資する記述をも有している。にもかかわらず、「ロシア極東を含む東北アジアをひとつの歴史的実体として」とらえようとする新しい視点から単士釐の旅行記を検討した研究はまだない。…本訳書の刊行が銭単士釐とその家族、親族についての実証的な研究と「近代東北アジアの形成」に関するあらたな研究をさらに大きく進展させる契機となれば幸甚である。
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