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道宣は青年期においては新王朝の始まりかつ教団の危機にあって寺院運営の手引きを定めた『四分律行事鈔』を撰し、円熟期には遊方期に収集·見聞した高僧らの事跡をまとめ、教団の来し方を振り返ろうとしたのであろうと思われる。先行する『高僧伝」の撰者·慧皎も律学に詳しい僧であり、後続の『宋高僧伝』を編纂した賛寧も「律虎」と呼ぱれた律宗の僧なのであった。高僧伝編纂と律学には深い関係が見て取れるわけであるが、その理由は前川隆司氏が指摘するように律の研究には歷史的根拠を求められるという事情のほか、律の目的が教団の永続とされたためでもあろう。教団の維持ヘの関心は、これまでの教団がどのように維持されて来たのかという関心へと自ずと転化するのだと思われる。 引自 総説 / 齋藤智寛 著
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